カスタマイズ前の状況とやりたいこと
今回は神奈川県に事務所を構えるスタッフ3名の社会保険労務士事務所様。
人手不足によるリソース不足をなんとかしようと、業務効率化を目指してkintoneを導入し、顧問先情報や手続きの進捗管理をご自身でアプリ化。
しかし、実務で運用を始めると大きな課題に直面しました。
それは、算定基礎届や年度更新など「全顧問先で一斉に発生する年次業務」のレコード作成です。
対象となる50社以上の顧問先に対し、1件ずつ「新規追加」ボタンを押し、企業名を選び、未着手ステータスのレコードを手続き管理アプリに作る……。
この単純作業だけで毎回1時間以上を消費
手作業による登録漏れや重複のミスが発生
本来のコア業務が圧迫され、スタッフも疲弊
人手不足によるリソース不足をなんとかしようと、業務効率化を目指してkintoneを導入し、顧問先情報や手続きの進捗管理をご自身でアプリ化。
しかし、実務で運用を始めると大きな課題に直面しました。
それは、算定基礎届や年度更新など「全顧問先で一斉に発生する年次業務」のレコード作成です。
対象となる50社以上の顧問先に対し、1件ずつ「新規追加」ボタンを押し、企業名を選び、未着手ステータスのレコードを手続き管理アプリに作る……。
この単純作業だけで毎回1時間以上を消費
手作業による登録漏れや重複のミスが発生
本来のコア業務が圧迫され、スタッフも疲弊
「せっかくシステムを入れたのに、最初の準備が一番の苦行になっている」という深い悩みを抱えていました。
ご相談を受けた弊社がまず着目したのは、「顧問先管理アプリ(マスター)」のデータ構造です。
「ボタン一つで対象企業だけを一括登録したい」という理想を実現するためには、システム側が『どの企業が今回の手続き対象か』を判別できる状態にしておく必要があります。
そこで、顧問先マスターに「月次業務(給与計算など)」と「年次業務(算定基礎届など)」という複数選択フィールドを追加しました。
そこで、顧問先マスターに「月次業務(給与計算など)」と「年次業務(算定基礎届など)」という複数選択フィールドを追加しました。
各顧問先がどの業務を契約しているかを事前に登録しておくことで、「ステータスが契約中で、かつ算定基礎届にチェックがある企業」という条件で、システムが自動的に対象を絞り込める土台を整えました。
ちなみになぜこの情報がマスタに不足していたか?それは契約書が紙ベースだったためです。
kintoneの導入に伴い、紙の契約書をレコードに転記する際に心が折れて、必要最低限しか転記しなかったとのことです。あるある。
ここはフィールド追加などをしながら、追加の転記作業は弊社でアナログBPOとして受託し、完全なマスタ内容に更新しました。
カスタマイズ後の状況
マスターの準備が整った後、一括登録の実装方法として以下の2つの選択肢をご提案しました。
🟠 無料プラグイン(TIS様プラグイン)の利用
手軽に一括登録はできるが、「手続き名」や「納期」は取り込み後に手動で一括更新・修正する手間が残る。実装費用は5万円程度。
🟢 JavaScriptによる本格カスタマイズ
初期費用(約20万円)と月額の伴走サポート費(5,000円〜)はかかるが、専用のポップアップ画面から「手続き開始日」や「納期」を指定し、対象企業をプレビューした上で、ワンクリックで完璧な状態のレコードを一括生成できる。
年間の実行回数と削減時間をシミュレーションした結果と、「登録漏れによる賠償リスクのゼロ化」や「スタッフが定型業務の残業から解放されることによるモチベーション向上」という、金額以上のメリットに共感いただき、JavaScriptカスタマイズでの実装を決断されました。「現場が一番迷わず、ミスが起きないUIを提供する」というDXの鉄則に従った選択ですね。
士業業務にありがちな手続き作業のループはスタッフにとっても辛いもの。皆早く終わらせたいんです。残業せずに家に帰ってご飯食べてお風呂入ってゆっくりしたいんです。
さて、今回のカスタマイズの最大の目玉は、現場のスタッフがいかにストレスなく、直感的に操作できるかを追求した「専用ポップアップ画面」です。
大まかな流れとしては「顧問先マスタから必要な対象をピックアップし、手続き履歴に一括登録する」というものです。
1時間以上かかっていた50件以上のポチポチレコード作成を1分で終わらせる
ための、主要な3つのギミックをご紹介します。
※画像は弊社の環境で開発中のデモです。
1. 迷わせない!モダンな「業務選択ダッシュボード」
一覧画面の「手続き対象の取り込み」ボタンを押すと、

画面いっぱいに広がる専用ダッシュボードが立ち上がります。
「月次ルーティン業務」「随時発生業務」「年次イベント業務」とカテゴリーを明確に分割。さらにアイコン付きのカード形式にすることで、ITツールに不慣れなスタッフでも「今からどの手続きを始めるのか」を一目で判断でき、誤操作を防止します。

2. ワンクリックで50社を自動展開する「プレビュー&微調整」機能
例えば年度更新のカードをクリックすると、対象となる顧問先が一瞬でリストアップされます。
ここで取り込まれる対象は、顧問先のマスタで「契約がアクティブで、委託業務に年度更新が含まれている」顧問先です。
単に自動作成されるだけでなく「今回はこの会社だけ手動で外す」といった微調整がチェックボックスのON/OFFだけで可能です。
さらに、手続きの「名称」や「開始日」や「提出期限」もこの画面で一括指定できるため、レコード作成後に後から1件ずつ納期を入力し直す……といった二度手間を完全に排除しました。

3. 「入社・退社」に特化した、スマートな従業員検索ギミック
労務管理で頻繁に発生する「入退社手続き」などの随時業務には、専用の操作フローを用意しました。
対象の顧問先を選ぶと、既存従業員の検索バーが出現。「山田」や「鈴木」と入力するだけで該当者が瞬時にサジェストされ、迷わず対象者を特定できます。
さらに、新入社員などで「まだkintoneのマスターに名前がない!」というケースを想定し、画面内から直接「新規従業員登録」へ飛べる導線も完備。作業の手を止めることなく、イレギュラーな実務にもスムーズに対応できる設計です。

いかがでしたでしょうか?ここで取り込まれた対象は言い換えると「やらなきゃいけない業務」です。
つまり、ここで一括登録をしておくことでやるべき業務がリストアップされ、進捗を管理しながら業務漏れをなくすこともできるのです。
もともとお客様の方で理想として描いていた図式がこれで実現されました。
実装費用目安
実装前の転記作業(アナログBPO):20,700円
実装費用:約20万円(アプリのフィールド追加や修正含む)
Have a nice kintone!